top of page
三溪園観梅俳句大会(過去の開催内容)
  • 第66回横浜俳句大会
    第一部(応募句入選作品) ☆神奈川県知事賞 捨てられて空の深さを知る案山子 衣川 次郎 ☆横浜市長賞 幽霊を終へて口紅拭ひをり    梅津 大八 ☆神奈川県議会議長賞 画用紙をはみ出す未来子どもの日 相  道生 ☆横浜市会議長賞 火の色に梯梧が咲けば沖縄忌   栗林  浩 ☆横浜市教育委員会賞 人はみな影曳き歩く原爆忌    高尾 峯人 ☆横浜俳話会会長賞  鏡より抜け出してゆく祭の子   小林比奈子 ☆朝日新聞社賞 流灯や子を抱くやうに舟を抱き  藤田ミチ子 ☆毎日新聞社賞  捕虫網提げて鳥居に一礼す    高山  檀 ☆読売新聞社賞  秋澄むやひねって水の出る平和  関東 早苗 ☆神奈川新聞社賞 買うてすぐ被る麦藁帽子かな   山本 一葉 ☆産経新聞社賞  一日の余白に春の水辺かな    川島由美子 ☆神奈川県現代俳句協会賞 薫風や拳ゆるめて子の眠る    多田 学友 ☆日本伝統俳句協会賞 出目金と無声映画のごとくいる  麻生  明 【佳作】 こんなにも人居て花のさみしがる 加賀田せん翆 梅漬けて昭和のままの母が居る   大島 寛治 夢いつも夢のままなり沙羅の花   伊藤  眠 過去形にせぬ八月のひとつひとつ  芳賀 陽子 どくだみや生家の記憶もつ足裏   釜田 二美 忘却を味方に老いの夕端居     脇本 公子 昭和史のかたすみに生れ汗を噴く  中岡 昌太 まだ髷を結へぬ関取初浴衣     勝又 民樹 一杯の水の美味さよ原爆忌     廣﨑 龍哉 寂びれゆく村新緑にあふれたり   太田 幸緒 第二部 (当日句入選作品) 兼題:新米・走 ☆横浜市長賞 今年米離農の文の添へてあり   山田 京子 ☆神奈川県議会議長賞 小走りに月がきれいと言ひにくる 山本 一葉 ☆横浜市会議長賞 落鮎のひかり走らす力あり    高尾 峯人 ☆横浜市教育委員会賞 走らざるペンを見つめてゐる秋思 梅津 大八 ☆横浜俳話会会長賞 街中をけものの走る文化の日   角田 大定 ☆朝日新聞社賞 秋光や継ぎ目の走る火焔土器   芳賀 陽子 ☆毎日新聞社賞 塩加減よき新米の握り飯     廣﨑 龍哉 ☆読売新聞社賞 新米に母の笑顔が付いてくる   白石 玄舟 ☆新俳句人連盟賞 箱根路を試走の二人草紅葉    松田 知子 ☆横浜俳話会賞 切れの良き啜り音する走り蕎麦  笹ヶ瀬正二
  • 第65回横浜俳句大会
    第一部 入選作品(応募句) ☆神奈川県知事賞 武器持たぬ両手に掬ふ今年米   江田 ゆう ☆横浜市長賞 夕焼けを展げて帰る父子かな   松本 凉子 ☆神奈川県議会議長賞 看護師の去りて夜長の始まりぬ  千葉 喬子 ☆横浜市会議長賞 一心がいつしか無心草むしる   大関  洋 ☆横浜市教育委員会賞 街炎暑ベンチのピエロ鼻を脱ぐ  相  道生 ☆横浜俳話会会長賞 終章を惜しみ秋燈消しにけり   多田 学友 ☆朝日新聞社賞 メロン切る無敵の母の五等分   菅沼 葉二 ☆毎日新聞社賞  それぞれの暮しは言はず月の客  脇本 公子 ☆読売新聞社賞 母の居るかぎりは昭和蕎麦の花  内藤ちよみ ☆神奈川新聞社賞 少しずつトマトになった陽の光  麻生  明 ☆産経新聞社賞 囲をかけて蜘蛛の退屈始まりぬ  鴫原さき子 ☆神奈川県現代俳句協会賞 砲丸のようなおにぎり子供の日  西田みつを ☆日本伝統俳句協会賞 空っぽになるまで端居していたり 川島由美子 【佳作】 万緑を二つに分くる大河かな    鹿又 英一 くつ先で描く土俵や若葉風     髙木 暢夫 飛込の少女ナイフとなりて飛ぶ   高尾 峯人 追はれつつ誘つてをりぬ螢の火   北村 純一 ふるさとや蝉穴ほどのわが出自   坂   守 亀鳴きにけり初めての補聴器に   栗林  浩 芋の露転げやっぱり地動説     関戸 信治 幽霊の躓いてゐる芝居かな     山本 一歩 朴の花僧に静かな会釈あり     飛永百合子 葉桜やもう定年のない句帳    加賀田せん翆 第二部 入選作品(当日句) (兼題:小鳥来る・育) ☆横浜市長賞 追伸の短き本音小鳥来る     鹿又 英一 ☆神奈川県議会議長賞 蒼天を育んでゐる百目柿     佐藤  久 ☆横浜市会議長賞 序列なき空を分け合ひ小鳥来る  菅沼 葉二 ☆横浜市教育委員会賞 心身をあづけし杖や小鳥来る   伊藤  眠 ☆横浜俳話会会長賞 生きること老いても楽し小鳥来る 江田 ゆう ☆朝日新聞社賞 屋号一字欠けしままなり小鳥来る 三幣芙佐子 ☆毎日新聞社賞 ビルばかり育ちゆく街ちちろ虫  山本 恵子 ☆読売新聞社賞 どんぐり山の下に青空保育園   梅津 大八 ☆新俳句人連盟賞 十人の島の学校小鳥来る     大関  洋 ☆横浜俳話会賞 カンバスの空の余白や小鳥来る  今村 千年
  • 第64回横浜俳句大会
    第一部 入選作品(応募句) 神奈川県知事賞  背の子を夢ごと下ろす夏布団     西本 嘉子 横浜市長賞  やがて子は天下取るかも捕虫網   安藤  靖 神奈川県議会議長賞  帰省子のまづ犬小屋へ向かひけり  宮崎 清美 横浜市会議長賞  夏座敷墨絵のやうに祖母がゐる   北村 純一 横浜市教育委員会賞  廃校に板書の校歌夏つばめ     坂   守 横浜俳話会会長賞  故郷の駅にて外すサングラス    佐藤 公子 朝日新聞社賞  若冲の絵を出て羽抜鶏となる    田畑ヒロ子 神奈川新聞社賞  畳拭くことから始め盆仕度     小林比奈子 産経新聞社賞  夕菅や遠流の島へ定期便      会田 比呂 毎日新聞社賞  父の日に父と並んで髭を剃る    菅沼 葉二 読売新聞社賞  明日からの旅を金魚に言い聞かす  関根 洋子 神奈川県現代俳句協会賞  嘘のなき短冊重し七夕竹      伊藤  眠 日本伝統俳句協会賞  老いてなほ未知の老いあり黄水仙  大西 昭舟 【佳作】  過去はみな捨ててきました蝉の穴  西田みつを  テーブルに団扇ぽつんと母の留守  北村 まき  春キャベツ空気一枚づつ剥がす   村中 紫香  睡蓮へ人は力を抜きにくる     川島由美子  夏野抜け来て少年は青年へ     大関  洋  仏にも鬼にも成りし雲の峰     鳥海 香音  栗咲くや丹波降りぐせ曇りぐせ   尾崎よしゑ  万緑を揺がして泣く赤子かな    家田あつ子  うす紙で包む余生や日向ぼこ    本間 滿美  鉄扉開け臨海倉庫夏兆す      白石 文男 【青少年の部】  無人駅放送のようなせみの声     小五 磯  和月  レモン水中で私もすずみたい     小五 小山 奏音  すなはまで日焼けをしているかにさんが 小五 隆 柚花  公園で昼寝してたら原始人      小六 荒木隆之介  夏至の日は全てがゆっくりながれてく 小六 川辺 想似  うとうとと入道雲で眠りたい     中二 山崎 莉奈 第二部 入選作品(当日句) 横浜市長賞  小さくとも橋に佳き名や星月夜    渡辺 順子 神奈川県議会議長賞  吊橋の向かう新酒の幟立つ      神野 重子 横浜市会議長賞  木道の続く限りの花野かな      金子 竜胆 横浜市教育委員会賞  別れても同じ出口へ花野道      梅津 大八 横浜俳話会会長賞  身に入むや避難所までの橋一つ   長谷川幸子 朝日新聞社賞  橋ひとつ違へて帰る風の盆     谷口ふみ子 毎日新聞社賞  錦秋の橋の長さをかへり見る    鹿又 英一 読売新聞社賞  橋いくつ越えてふるさと柿熟れる   川島由美子 新俳句人連盟賞  花野のどこか母が隠れているような  尾崎 竹詩 横浜俳話会賞  少年になって銀河の橋渡る      麻生  明
  • 第63回横浜俳句大会
    平成三十年十月八日(月・体育の日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  八月の塩効いているにぎり飯      木嶋 政治 横浜市長賞  兄ちゃんの居ぬ間は僕の兜虫      菅原 輝子 神奈川県議会議長賞  学校へ出前が届く夏休み        髙島かづえ 横浜市会議長賞  品書きに程よき余白夏料理       中村重次郎 横浜市教育委員会賞  百年の土間ある暮し夏つばめ      古郡 孝之 横浜俳話会会長賞  補聴器を外して休む花疲れ       北村 純一 朝日新聞社賞  のどけしやこけしは耳を持たざりし   白石 文男 神奈川新聞社賞  木下闇行けばいつしか深海魚      脇本 公子 産経新聞社賞  枯野には枯るる安らぎありにけり    井出 佳子 毎日新聞社賞  梟が赤子を寝かせ村寝かす       中岡 昌太 読売新聞社賞  あるだけの窓開けてある昼寝かな    小林比奈子 神奈川県現代俳句協会賞  榠樝一顆置けばマチスの部屋となる   吉居 珪子 日本伝統俳句協会賞  榠樝の実おとこ寡黙に老いてゆく    内藤ちよみ 青少年の部入賞者  ランドセル光かがやけ一年生       (小三) 村木 玲奈  蝉の声お経のようににぎやかな      (小五) 平井  響  アサガオが咲いたら朝が目を覚ます    (小五) 川岸 花綸  すずむとき思わずうかぶ夏の山      (小六) 小山 颯太  秋の風絵描きが語る未来の図       (中三) 加藤 浩輝  耳にあて拾いあつめる海の音       (中三) 昆  彩音 第二部 入選作品 横浜市長賞   鯔跳んで浜の暮色を乱しけり      白石 文男 神奈川県議会議長賞  梵鐘の一打に染まる夕もみじ      中村重次郎 横浜市会議長賞  着てみたき色の紅葉を拾ひけり     高橋  翠 横浜市教育委員会賞  浜風にふれて一献新走り        松田 知子 横浜俳話会会長賞  秋の浜一人遊びの上手な子      苗村みち代 朝日新聞社賞  かりがねやここ横浜に老いゆくか    大関  洋 毎日新聞社賞  帆船は浜のシンボル秋の空       𠮷田  功 読売新聞社賞  浜風の湿りも鳥の渡る頃         武内エイ子 新俳句人連盟賞  紅葉かつ散りぬ一兵卒の墓       鹿又 英一 横浜俳話会賞  紅葉狩水音に添ひ人に添ひ       土生 依子
  • 第62回横浜俳句大会
    平成二十九年十月九日(月・体育の日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  落蝉の歌いつくした軽さかな      脇本 公子 横浜市長賞  颱風の眼のなかにゐて釘を打つ     谷口ふみ子 神奈川県議会議長賞  車から真っ先に出る捕虫網       麻生ミドリ 横浜市会議長賞  かくれんぼの儘で居ようか大花野    内藤ちよみ 横浜市教育委員会賞  発心の白とも朴の花髙し        野木 桃花 横浜俳話会会長賞  恋文はやはり縦書きみむらさき     菅沼 葉二 朝日新聞社賞  無花果を包んで湿る新聞紙       麻生  明 神奈川新聞社賞  パセリ摘む指より朝のはじまりぬ    家田あつ子 産経新聞社賞  行くほどに車輌短くなる帰省      芝岡 友衛 毎日新聞社賞  図書館に好きな子がゐる夏休み     髙島かづえ 読売新聞社賞  まずは空大きく祓ひ海開き       木嶋 政治 神奈川県現代俳句協会賞  セーターを脱け殻に妻入院す      青野 草太 日本伝統俳句協会賞  蟬の穴愉快な老後考える        吉田 典子 NHK学園賞  受付の涼しき声に呼ばれけり      小林比奈子 青少年の部入賞者  おとうとの足はゆたんぽきもちいい    (小三) 石井 幹貴  ひまわりが空に向かって大あくび     (小四) 大橋 来羽  日がくれて入道雲がかえってく      (小四) 島崎 愛莉  教室を入道雲がのぞいてる        (小六) 山崎 莉奈  寒い朝ゴジラのように息をはく      (中二) 山崎 滉太  かたつむり本当は速く歩きたい      (中二) 山谷 怜真 第二部 入選作品 横浜市長賞  港には港の匂ひ天高し         望月 英男 神奈川県議会議長賞   天高し校庭の空使ひきる        大木 典子 横浜市会議長賞  天高し今日は飛びたい風見鶏      脇本 公子 横浜市教育委員会賞  帆船の帆にも人ゐて天高し       中島修之輔 横浜俳話会会長賞  天高し空を広げて庭師去る      北野 一清 朝日新聞社賞  階段も坂もリハビリ天高し       堀江野茉莉 毎日新聞社賞  吾亦紅港のごとき母の家        芝岡 友衛 読売新聞社賞  秋の灯を港に零す出船かな      太田 良一 新俳句人連盟賞  車椅子のシニア体操天高し       中浜 智枝 横浜俳話会賞  天高し棒高跳のバーを上ぐ       小林 茂美
  • 第61回横浜俳句大会
    平成二十八年十月十日(月・体育の日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  病む人へすこし窓あけ祭笛       斉藤 篁彦 横浜市長賞  吊橋の涼しき距離を渡りけり      小林比奈子 神奈川県議会議長賞  日焼の子旅の土産は長寿箸       金子 光子 横浜市会議長賞  生涯を島に暮らして踊りけり      谷口ふみ子 横浜市教育委員会賞  兵となる子らかも知れず甘藷掘る    山崎 妙子 横浜俳話会会長賞  久女にもノラにも遠き妻の夏      青野 草太 朝日新聞社賞  蘖や村に一人の赤ん坊         根本 朋子 神奈川新聞社賞  一人の灯消して一人の十三夜      菅沼 葉二 産経新聞社賞  眠りても母の団扇の動きけり      多田 学友 毎日新聞社賞  手も足も大きくなりぬ更衣       岩田  信 読売新聞社賞  口元の黒子の見える日傘かな      尾澤 慧璃 神奈川県現代俳句協会賞  かなぶんのぶつかる闇や反抗期     飯村寿美子 日本伝統俳句協会賞  波音へ打ち込む祭太鼓かな       志村 宗明 横浜文芸懇話会賞  山椒魚時間の裏へまはりけり      川名 将義 青少年の部入賞者  サングラスひるからよるへいっしゅんだ (小二) 石井幹貴  私のゆかた花がいっぱい咲いている   (小四) 井上 小粋  夏祭楽しい声がすき通る        (小五) 田中  杏  夏祭り真中でひびく大だいこ      (小五) 安井 佳祐  入道雲飛行機雲がつきささる      (小六) 石川 広人  口あけて空をのみこむ雲の峰      (小六) 君野 朱莉  ススキの葉空をはたく掃除屋さん    (中一) 昆  彩音  こいのぼり大きな口で何食うの     (中三) 田中 明雄  蛙見てあいつの顔を思い出す      (中三) 宗形  陸  踏み切りの棒があがって春となる    (高二) 北川 真衣 第二部 入選作品 横浜市長賞  大空に隅はあらざり赤とんぼ     菅原 輝子 神奈川県議会議長賞  豊胸の土偶一体良夜かな       鴫原さき子 横浜市会議長賞  ロボットのような体操赤とんぼ      尾崎 竹詩 横浜市教育委員会賞  隅っこの好きな子といて花八手     西田みつを 横浜俳話会会長賞  隅つこのいつもの席に新走       阿部 佑介 朝日新聞社賞  隅といふ気楽さにをりチチロ鳴く   梶原 美邦 毎日新聞社賞  体育祭終えて白線くたくたに      北野 一青 読売新聞社賞  菊咲かす青い地球の片隅に      惣野 圭子 新俳句人連盟賞  ななかまど頭の隅の忘れもの      川島由美子 横浜俳話会賞  もがり笛廊下の隅の人体図     安原 憲子
  • 第60回横浜俳句大会
    平成二十七年十月十一日(日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  田を植ゑて風の平らな村となる     平井 京水 横浜市長賞  難しき漢字の好きな紙魚なりし     佐野 笑子 神奈川県議会議長賞  縄電車止まる駅から春となる      内藤ちよみ 横浜市会議長賞  口々に暑い暑いという平和       川辺 幸一 横浜市教育委員会賞  海底は永久のおくつき敗戦忌      清水 善和 横浜俳話会会長賞  ともしびの如く吾子ゐる霜夜かな    家田あつ子 朝日新聞社賞  呼びにきし母も踊りの輪の中に     岩渕  直 神奈川新聞社賞  夕焼の人を吐き出す造船所       浮田 雁人 産経新聞社賞  長生きを許されてまた敗戦忌      中島修之輔 毎日新聞社賞  武者振ひして噴水の立ち上る      杉山 定子 読売新聞社賞  地球より逃げ出すつもりゴム風船    志村 宗明 神奈川県現代俳句協会賞  敗戦忌砂落ち尽くす砂時計       相  道生 日本伝統俳句協会賞  母の日や使へぬ物にくぢら尺      池田恵美子 横浜文芸懇話会賞  花は葉に日日新らしく老いてゆく    大西 昭舟 青少年の部入賞者  夕やけはこげたしょうゆのおせんべい    (小一) 石井幹貴  かたつむりほんとは速く歩きたい      (小五) 加藤勇輝  かぶとむしキミもこんがり焼けてるね    (小六) 山崎滉太  その中に弟がいるしゃぼん玉        (小六) 昆 彩音  正座して話し合ってる雨蛙         (中二) 鈴木諒也  今日の僕サイダーみたいにはじけてる    (中三) 伊藤大和  夕焼けは九回裏のホームラン        (中三) 佐藤泰輝  広島忌またここに来いと鳩飛ばす      (中三) 蒔苗柊太  切られ役の様に転がる油蝉         (中三) 藤井華乃  教科書をひらりとめくる春の風       (高一) 北川真衣 第二部 入選作品 横浜市長賞  霧を出て男の貌の新たなる      梅津 大八 神奈川県議会議長賞  新居の荷先ず降ろされる菊の鉢     佐藤 龍夫 横浜市会議長賞  秋惜しむ余熱で生きてゆくことに    尾崎 竹詩 横浜市教育委員会賞  新走り円くおさめる嘘ひとつ      新田古志美 横浜俳話会会長賞  ていねいに新聞を読む神の留守    渡辺 照子 朝日新聞社賞  暗き灯の野毛の居酒屋秋惜しむ     今村 千年 毎日新聞社賞  ままならぬ遺品の整理秋惜しむ     古柴 和子 読売新聞社賞  新薬の加わる処方秋の雨       麻生  明 新俳句人連盟賞  新蕎麦やみんな昭和の生まれなり   川辺 幸一 横浜俳話会賞  自分史の未知なる旅路秋惜しむ     岩渕  直
  • 第59回横浜俳句大会
    平成二十六年十月十三日(月・体育の日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  いくたびも髪梳きなほし雛流す     多田 学友 横浜市長賞  柩ゆく兄が育てし青田中        岩渕  直 神奈川県議会議長賞  除夜の鐘みんな素直になる途中     川島由美子 横浜市議会議長賞  水に棲み水底知らぬ水馬        金澤 正将  横浜市教育委員会賞  挿し木して科学をすこし疑ひぬ     衣川 次郎 横浜俳話会会長賞  淋しさの分だけ歩む蝸牛        菅沼 葉二 朝日新聞社賞  夏帽の庇まわして測量士        寺沢 徳子 神奈川新聞社賞  旋盤の鉄屑吐ける暑さかな       大関  洋 産経新聞社賞  ひとりごとふやして祖母の終戦日    北村 純一 毎日新聞社賞  悪役に見えぬ悪役村芝居        高橋 俊彦 読売新聞社賞  表札は夫の名のまま小鳥来る      高橋富貴子 神奈川県現代俳句協会賞  日本に足ふんばって水馬        金子 弓湖 日本伝統俳句協会賞  水中花の水がきうくつでならぬ      中根 明美 横浜文芸懇話会賞  泊船の不意に水吐く十三夜       中嶋 文枝 第二部 入選作品 横浜市長賞  不器用に剥きて林檎に怒らるる     山本 一葉 神奈川県議会議長賞  遙かなる喧嘩の記憶草虱        表  邦彦 横浜市会議長賞  青空へ手を突っ込んで林檎捥ぐ     尾崎 竹詩 横浜市教育委員会賞  ティファニーもシャネルも知らず草虱  内藤ちよみ 横浜俳話会会長賞  草虱男同士が先を行く        須藤 桃代 朝日新聞社賞  草虱つけてバス待つ登山靴        堀米 澄子 毎日新聞社賞  佳き人に付きたがるなり草虱      谷口ふみ子 読売新聞社賞  偏屈が生涯の友草じらみ       劔物 劔二 新俳句人連盟賞  退職の脚によく付き草虱         伊藤 眠 横浜俳話会賞  つまずきし石も仏や草虱         高橋富貴子
  • 第58回横浜俳句大会
    平成二十五年九月二十九日(日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  紙魚あとに検閲の印学徒の記     大須賀善和 横浜市長賞  風音も刈つてしまひし草刈女      中嶋 文枝 神奈川県議会議長賞  耕して耕して母逝きたまふ       大西 昭舟 横浜市会議長賞  八月やいろんな音の靴が来る      前田千恵子 横浜市教育委員会賞  どこよりも涼しき家に帰りけり     小林比奈子 横浜俳話会長賞  しんがりは見たことはなし蟻の列    鴫原さき子 朝日新聞社賞  シンバルが最後に鳴つて雲の峰     山本 一歩 神奈川新聞社賞  薄れゆく虹少年の喉仏         小野 隆志 産経新聞社賞  蟇一言居士の面構え           林  満子 毎日新聞社賞  茅の輪くぐる鏡の中に入るやうに    家田あつ子 読売新聞社賞  天高し何から忘れはじめよう    川名  将義 神奈川県現代俳句協会賞  浅蜊売りひよいと小石をつまみ出す   北村とおる 日本伝統俳句協会協会賞  人生は流れ解散冬紅葉         菅沼 葉二 横浜文芸懇話会賞  春ショールまとい風より軽くなる    松田 圭子 青少年の部入賞者  じんべいは体がるんるんるんするよ   (小二)佐々木悠羽  ソーダ水空気の子どもとびでるよ      (小二)倉沢てるよし  ひまわりが太陽の方むいてない       (小三)岡部ほのか  貝殻が九月の砂にまた戻る         (小五)永川 瑠依  赤ちゃんのおしりのようなすももかな    (小六)黒澤  岬  風船は空に放ちしメッセージ         (中一)村山 歩夢  桜咲く出会いと別れ告げに来た       (中二)山崎 翔太  サイダーの底からのぞく青い夜        (中三)村田 真衣  サングラス土曜の父をうつしだす     (中三)飯田 裕也  テストの日泰山木がゆれている     (中三)佐藤 天音 第二部 入選作品 横浜市長賞 双眸はまだ海の色初さんま        菅原 輝子 神奈川県議会議長賞  海晴れて飛ぶかも知れぬ曼珠沙華     相川玖美子 横浜市会議長賞  死ぬまでは人その後は草の絮       中岡 昌太 横浜市教育委員会賞  月天心鎮まりていま地震の海       名和美知子 横浜俳話会長賞  草の絮山のホームに父残す        菅沼 葉二 朝日新聞社賞  海底の静けさに似て菊枕      金子 弓湖 毎日新聞社賞  遠き日の花いちもんめ草の絮     福原 乃婦 読売新聞社賞  象と行く象の尻尾の草の絮        川名 将義 横浜俳話会賞  どの路地を抜けても海へ秋麗      池田恵美子 新俳句人連盟賞  自由という退屈な日や草の絮      鴫原さき子
  • 第57回横浜俳句大会
    平成二十四年十月二十日(土) 第一部 入選作品 ☆神奈川県知事賞   櫂を立て少年夕焼より戻る     (町田市)小山 健介 ☆横浜市長賞   風鈴の音ごと買はれ行きにけり   (横浜市)高橋 艶子 ☆神奈川県議会議長賞   かなかなや母を一人にして帰る   (横浜市)菅沼 葉二 ☆横浜市会議長賞   さくらんぼ鈴振るやうに洗ひけり  (盛岡市)古澤 貞夫 ☆横浜市教育委員会賞   一坪の墓が故郷冬木の芽      (横浜市)新井 道江 ☆横浜俳話会長賞   昭和より昨日が遠し朴の花     (調布市)大西 昭舟 ☆朝日新聞社賞   霾るや遺骨は今も貝一つ      (横浜市)石井 流花 ☆神奈川新聞社賞   騙されてゐるのも楽し水中花    (藤沢市)渡辺 照子 ☆産経新聞社賞   帰省子の他人めきたる敬語かな   (横浜市)小林比奈子 ☆毎日新聞社賞   水面に河馬の眼が浮く夕薄暑    (横浜市)小島 博子 ☆読売新聞社賞   川にまだ昼の明るさ祭笛      (横浜市)斉藤 篁彦 ☆神奈川県現代俳句協会賞   納豆が糸引く四万六千日      (横浜市)大関  洋 ☆日本伝統俳句協会協会賞   帰省子に一年分を話す妻      (厚木市)鈴木 静子 ☆横浜文芸懇話会賞   駈けだせば少年になる大夏野    (狛江市)梅沢れい子 青少年俳句入賞者  かきごおりちびのこおりがうまれてく   (小一)宇都木まひる  父独り窓の外見てビールのむ       (小六)畠山 瑚雪  太陽のいちばん弟子はひまわりだ     (小六)村山 歩夢  ストーブにあたると会えるおじいちゃん  (小六)笠間 良亮  ピストルがやる気を誘う徒競走      (小六)及川 裕介  霜柱踏んでいやなこと忘れたり       (小六)柳沢 七星  とうがらしいつもかんかんおこってる   (中一)阿部 倖大  雪げしき外では時が止まってる     (中二)笠間 皓大  秋風とダンスするカーテンさびしそう   (中二)池田 雄一  麦わら帽中につまった青い空       (中二)山口真里奈 第二部 入選作品 横浜市長賞   悪役の方が匂へり菊人形      (横浜市)川名 将義 神奈川県議会議長賞 烏瓜赤い方から長女次女      (横浜市)相川玖美子 横浜市会議長賞 芒原知恵湧くまでを立ち尽くす  (海老名市)衣川 次郎 横浜市教育委員会賞 子の声の方へ転がる木の実かな   (横浜市)大関  洋 横浜俳話会長賞 下校の子歌ふ芒を指揮棒に    (千葉市)山本ふぢな 朝日新聞社賞 穴惑ひ前方後円墳めざす      (海老名市)加藤 房子 毎日新聞社賞 薄原真面目に歩きどつと老ゆ    (川崎市)福原 瑛子 読売新聞社賞 風よりも人恐ろしき芒原      (横浜市)中岡 昌太 横浜俳話会賞 何時の間に一人となりし芒原     (横浜市)有馬 五浪 新俳句人連盟賞 芒原男のピアス輝けり        (川崎市)仁上 廣子
  • 第56回横浜俳句大会
    平成二十三年十月十日(月・体育の日) 第一部 入選作品 神奈川県知事賞  夕立のあとにんげんは軽くなる   中嶋 文枝 横浜市長賞  夫の手を握るためゆく冬病棟    金子 文枝 神奈川県議会議長賞  また別の秋風に会ふ坂の上     斉藤加代子 横浜市議会議長賞  八月の無音の空の高さかな     大西 昭舟 横浜市教育委員会賞  眠るだけ寝ては出てゆく帰省の子  小林比奈子 横浜俳話会長賞  豆の花どれも飛びたきかたちして  大垣 孝子 朝日新聞社賞  風鈴の音引越してしまひけり    山本 一歩 神奈川新聞社賞  診断は加齢の一語花うつぎ     穴水よね子 産経新聞社賞  暮れゆく父の日父がいるように   内田 秀子 毎日新聞社賞  世の中がきれいに見える青すだれ  中原 善江 読売新聞社賞  水まろくまろく白桃洗ひけり    高橋 艶子 神奈川県現代俳句協会賞  郭公やサラダのような朝がくる   鴫原さき子 日本伝統俳句協会協会賞  冬瓜のなやんだことのない形状   松塚 大地 横浜文芸懇話会賞  原爆忌一杯の水重きかな      多田 武峰 青少年の部入賞者  うちわのきんぎょあおぐとみんなおよぎだす (小一)すずきあいな  風鈴は風がかわるとちがう音         (小三)矢口 るな  ぶらんこに乗れば私のタイムマシン     (小五)宗山菜々美  夕焼を海がのみこむ日曜日         (小六)柏本さくら  彼の前顔も心もさくらんぼ        (中一)望月  楓  ひまわりの性格きっとおてんばだ      (中二)高橋 佑果  大夕焼両手は明日へ開けておく      (中三)竹野 志穂  割れるたびしゃぼん玉から笑い声        (中三)木村  聡  半ズボンひざに国境生まれたり        (中三)二見 賢人  てんとう虫私の好きな文庫本        (中三)村田莞太朗 第二部 入選作品 横浜市長賞  八十路いま受身に生きてふかし藷  名和美和子 神奈川県議会議長賞  親なくも故郷ありけり照紅葉    大西 昭舟 横浜市議会議長賞  蓑虫はぶらり禍福を受け流す    松井 光子 横浜市教育委員会賞  声がしている裏山の照紅葉     門谷 杜人 横浜俳話会長賞  刈田原星の生まれる音を受く    山本 恵子 朝日新聞社賞  ふるさとは吾の受け皿零余子落つ  柴岡 友衛 毎日新聞社賞  受話器置いてしまへばさみし秋の空 山本 一歩 読売新聞社賞  照紅葉かくも明るき別れかな    金子 文枝 横浜俳話会賞  照紅葉いつもどこかが筋肉痛    鹿又 英一 新俳句人連盟賞  赤蜻蛉虚子の墓域に名刺受     大木 典子
bottom of page